そもそもから疑ってみよう

シャジクモが繁茂すると栄養塩濃度が低下し、透明度が増加するとヨーロッパでは多くの例が報告され、私自身もそれらをレビューして和文誌で報告しました。では日本ではなぜシャジクモが絶滅寸前にまで減ったのかをM1のテーマに振ったら、彼女はその先を考えて、シャジクモを人工的に復活させるアイディアを出してきたと以前にご紹介しました。
13日はその彼女と、シードバンクから生えてきたシャジクモ2種の採取をして、付着している貝やユスリカやゲンゴロウなどを除去していました(動物好きの彼女は、でてくる動物もサンプリングして、自宅で飼うと言ってました)。
洗いながら「やっぱりこのシャジクモじゃ、ヨーロッパで報告されているようにはいかないかも」「どうみたって枯れたら泥炭だよね。気分はすっかり維管束。。。」
彼女と議論しているうちに、ヨーロッパで言われている事が、本当に日本でも当てはまるのか、そのあたりから不安になってきたので、いろんな成分について海外のシャジクモと日本のシャジクモを比較してみようということになり、今日はそのためのサンプリングだったのでした。
とりあえずは、これから「そもそも」に返って調べてみようとしていることを、ヨーロッパのシャジクモについてはどの程度やられているか、文献調べといて!と指示。もちろんその間に、今日採ってきたサンプルをさらに綺麗にお掃除して、実験して、分析して。。。といろんな作業が明日から始まります。
陸水研進学を希望している方は、M1の夏休みは相当忙しいと覚悟しておいてください(自分の仕事に加えて、1人ではできない調査など、メンバーのお手伝いも入ります。逆に自分の研究も手伝ってもらえます)。