昨年10月に亡くなられた西條八束先生が、お手持ちの利根川河口堰の資料をある方にお貸ししたときに、返却については「山室さんへ送るときっと活用すると思いますので、そうしてください」と言われていたそうです。なのでそちらにお送りしたいとのメールが昨日届きました。
1月27日付記事でご紹介しましたように、西條先生は長良川河口堰問題、中海干拓問題など、開発の是非について積極的に発言されていました。急逝された原因として、三河湾干拓問題について憂慮され、無理を押して委員会などに出ておられたからだとの声もありました。
しかし同日記事で書きましたように、我々科学者の発言は、科学的事実に基づいたものでなければなりません。そのことが最も大切だと、日頃から西條先生は主張されていました。科学的事実が開発側の主張に沿ったものになるのか、開発反対側の主張に沿ったものになるのかが重要なのではなく、まず、事実がどうであるかを解明するのが科学者の仕事です。そのことを西條先生は、生前同様に不思議なほどタイミングよく、確信させてくださいます。