無知より恐いものはない

7月27日記事でもご紹介した化学物質問題市民研究会のニュースレター「ピコ通信」の119号の「編集後記」は考えさせられる内容でした。

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先日TV で「くもの巣消滅ジェット」なる殺虫剤のCM を目にして驚きました。いわく、気持ちの悪いクモ!、巣を張らせない効果と直接かけて駆除するW効果! 危険な毒グモ“セアカゴケグモ”や“ハイイロゴケグモ”にも効果があります。
みんながこれをシューシューやって、もしクモがいなくなったら、世の中はどうなる?
不快害虫どころではない、本物の害虫がはびこることは明らかです。無農薬の茶畑ではクモの巣が張り巡らされているので、農薬は必要ないのです。
(中略)
行政の公園や街路樹管理の担当者と話をすると必ず「でも、住民のかたから撒いてくれと要望がある」と言われます。農薬は撒くなという要望よりも、撒いてほしいという要望が圧倒的に多いという現状。これは何故か? 最近の日本人の潔癖症候群化はあるにしても、それだけではない。農薬や薬剤の怖さ、危険性を知らされていないからではないか。だって、殺虫剤のCM では子どもたちの居る所でシューシューと平気でやっているのだから、危険なものだなどとみんな思わない。テレビはおそろしい。

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おそろしいと言えば、今や若者の生活から切り離せないインターネットも、相当恐ろしいことになっていそうです。5月17日記事http://d.hatena.ne.jp/Limnology/20080517に書きましたが、「環境ホルモン」のWikipediaの表記、日本語の冒頭とEnglishの冒頭、あいかわらず全く別の内容です。
日本では、テレビやネットなど、国民に身近な情報ソースで化学物質の危険が故意に隠蔽されているように思います。

(English)
Endocrine disruptors (sometimes also referred to as hormonally active agents)[1] are exogenous substances that act like hormones in the endocrine system and disrupt the physiologic function of endogenous hormones. Studies have linked endocrine disruptors to adverse biological effects in animals, giving rise to concerns that low-level exposure might cause similar effects in human beings.[2]

(日本語)
内分泌攪乱物質(ないぶんぴつかくらんぶっしつ、endocrine disruptors)は、環境中に存在する化学物質のうち、生体にホルモン様作用をおこしたり、逆にホルモン作用を阻害するものとされる。

「外因性内分泌攪乱化学物質」(がいいんせいないぶんぴつかくらんかがくぶっしつ)などとも呼ばれ、「攪」の字が難しいことから、「内分泌撹乱物質」や「内分泌かく乱物質」とも表記される。

日本では1998年5月に環境庁(当時)が発表した「環境ホルモン戦略計画 SPEED '98」にて、「内分泌攪乱作用を有すると疑われる化学物質」67物質をリストしたことにより、強い不安感が高まり、一気にメディアに「環境ホルモン」の言葉が氾濫するようになった。

ただし、その後に検証実験事実が蓄積されるに従い、ほとんどの物質は哺乳動物に対する有意の作用を示さないことが一部に報告されている。その知見等を踏まえ、環境省は上記リストを取り下げた。現在では、リストは単に調査研究の対象物質であり、それらを環境ホルモン物質もしくは環境ホルモン疑惑物質などと言うことは根拠がなくなったとされている。