7月9日記事で、愛知県はアサリ漁獲高全国一であること、その生産は六条潟が支えていることを紹介しました。
先日知人が、その六条潟で、今年は稚貝が全滅したと、朝日新聞記事を持ってきてくれました。あいにくその記事はネットにでていなかったので、読売新聞記事をご紹介します。
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豊川河口六条潟 アサリの稚貝全滅台風13号など影響 酸素欠乏が原因
県内一のアサリの稚貝の採取場所として知られる豊川河口(豊橋市)の六条潟で、酸素が欠乏する苦潮が9月18〜21日にかけて発生し、稚貝が全滅したことが県水産試験場(蒲郡市)の調査でわかった。
死滅した稚貝は、同試験場が六条潟の6地点で調査した結果、5000数百トンに上ると推定される。同じく苦潮で稚貝が死滅した2001年(2400トン)、や02年(4000トン)の被害を上回る。
県内各地に放流されるアサリ稚貝の約9割が六条潟産。各漁協は7月までに稚貝計約2300トン分を採取し、かなりの量を各漁場に放流しているが、今後の影響が心配される。
県水産課は「六条潟はほかの海域からアサリの幼生が集まる全国的にも珍しい場所なので、自然回復を期待できるが、今後、海の状況を見ながら必要な対策を講じていきたい」としている。
(2008年10月1日 読売新聞)
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ここでいう「必要な対策」には、他の地域からアサリ稚貝を購入することも含まれているようです。朝日新聞(9月30日)の記事には、
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他の地域からの購入について、県漁業共同組合連合会は「安全性の確認しづらい地域からの移入は慎重にならざるを得ない」との姿勢で、
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とあります。「安全性の確認しづらい地域」って?
これについてはWikipediaで「アサリ」を検索すると、「アサリの現状」欄に下記が記されています。
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日本では1990年代以降、開発や富栄養化による浅海域の環境悪化により、北海道など限られた水域を除く多くの産地で自然個体群の再生産が急速に悪化し、漁獲量が激減してきている(略)
また、北朝鮮や韓国並びに中国などからの輸入品が直接販売されたり、これらの輸入品をかつての大産地の漁協が購入して干潟や浅瀬に畜養し、日本産として再漁獲して販売することが多くなってきている。(略)統計上は輸入量が激減しているが、畜養による合法的な産地偽造、または中国産と偽る非合法な偽装などが行われているかは不明。既にいくつかの業者が産地偽装の罪で摘発されている。(2005年4月7日時点)
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日本一のアサリ産地である愛知県のアサリ稚貝の約9割をまかなっているということは、ここが日本のアサリ資源のかなめということです。ここを失ったら、下手をすると全国的にアサリ漁が廃れ、何が混じっているかとの不安を抱えながら中国産、北朝鮮産のアサリを食べねばならなくなるかもしれません。「愛 地球博」なる、生態系への配慮を基本としたイベントを行うような自治体なのですから、日本のアサリの状況、愛知県のアサリの状況を科学的に調査・検討したうえで議論していただければと思います。