シジミの産地偽装

北朝鮮産シジミを国産と偽装して販売、売り上げが北朝鮮に流れていた可能性があると報道されていました。

「原産地をロシア産などと偽って」とありますが、ロシア産シジミって、スーパーでほとんど目にしないのではないでしょうか。アサリ同様、国内産と偽装して売られているものがかなりあると思われます。
10年以上前ですが、島根大学から神奈川県の大学に移った知人から「スーパーで宍道湖産とされているシジミが宍道湖産に見えない。」と相談されました。私にも宍道湖産には見えず、当時、他の汽水湖から北朝鮮くらいにしかいないはずの底生動物が出現していたことから、北朝鮮から密輸して日本の汽水湖にいれて取り上げることで産地偽装しているのでは、ということになりました。熊本県産アサリの産地偽装と似た手口ですが、宍道湖のシジミは漁協による漁獲量管理がしっかりしていますので、偽装は宍道湖の漁業関連者が関知できないところで行われていたと思われます。
宍道湖産シジミを見なれていれば、北朝鮮産と思われたシジミは明瞭に違ってました。海産のアサリと違って一般にシジミと呼ばれるヤマトシジミは汽水という閉じた水域で生息するため、殻の地域変異が多様です。かつては国内のヤマトシジミが殻の色や形などによって、10種類前後に分けられていたこともありました。
斐伊川河口近くにある島根県水産技術センター内水面浅海部内水面科の建物の中に、宍道湖産シジミ殻各種が掲示されています。見学可能でしたら、松江・出雲を観光する際に行って見るとよいかと思います。