宍道湖プロジェクト夏の陣

30代前半で展開して以来20年ぶりの、宍道湖でのプロジェクト。当時は想像だにしなかった、かくもシジミが減ってしまった原因は何なのか?私は塩分だと思っていますが、それ以外の要因も含めて検討します。
プロジェクト夏の陣は8月22日に始まります。Hさんが船を操り、Kさんが総指揮をして、S先生が硫化水素を測り、T先生がシジミが取り込む植物プランクトンの質を解析し、Iさんが泥の酸素消費速度を測る予定。20年前に「これができたら」と思っていたことが、今はできるように技術が進んでいます。
宍道湖では「ヨシ帯があるとシジミが増える」と、霞ヶ浦アサザ植栽地とそっくりな消波堤が造られています。ヨシ帯を観察した方なら分かるように、ヨシ原の堆積物は腐植質に富み、シジミが成長できるような状況ではありません。シジミ稚貝が流れ混んでトラップされることはあるかもしれませんが、それは無効分散に終わるはずです。
実際、「ヨシ帯があるとシジミが増える」の根拠とされたデータを当たってみたところ、ヨシ帯がないところの方が多かったり、5月にヨシ原で稚貝非常に多く、非ヨシ原では少ないという内容でした。5月は稚貝がそれほどいる時期ではないので、このデータはむしろ、前年にヨシ原にまぎれこんだシジミは大きくなれませんでした、と解釈すべきだと思います。ヨシ原についても今回調査する予定で、流体力学に強いA先生にも同行いただきます。