シジミ漁依存は危ない

以前から傾向はありましたが、物価高騰下で近所のスーパーの鮮魚コーナーから、軒並み殻付き二枚貝が消えました。殻がないものでも、あってせいぜい剥き身の生牡蠣程度です。アサリはまだ時々見ますが、シジミに至っては最後に見たのはいつだったか思い出せないほど昔です。
元々殻付き二枚貝は可食部より廃棄する部分の方が多い、若者には敬遠されがちな食材です。シジミはその上、味噌汁やおすましの具程度しか利用されません。アサリならパスタやチャウダーに使いますが、それにしても牡蠣のように鍋やフライにも使えるほど幅広くありません。コスパが悪くて用途が狭いシジミがスーパーで売られなくなり、アサリが減り、剥き身の生牡蠣だけがまだ残っているのは当然な気がします。
二枚貝は用途が広く剥き身で殻が無いものが好まれるのは、ふるさと納税のランキングからも見て取れます。貝類の人気ベスト5はホタテ貝柱か牡蠣の剥き身です。

日本の内水面漁業の漁獲量の多くが、現在はシジミで占められています。シジミにはオルニチンが多く含まれるとされていますが、きのこのシメジの方が多いとも言われています。食材としてはシメジの方が、用途がはるかに広くて安価です。
以上よりシジミは剥き身にして安価で売らない限り、あと10年以内に一般には買われない水産物になると推測します。シジミ漁に頼っている水域は、今から他の食材(高くても購入されるウナギなど)も採れるように環境を整備しておかないと、漁業が崩壊する可能性大です。