「ブラタモリ」の誤報

きょうの「ブラタモリ」は松江でした。その中でもっともらしい誤解が紹介されていて困惑しました。
「大正時代に大橋川を拡幅したから、宍道湖シジミがとれる汽水域が増えてシジミが増えた」というものです。
宍道湖は過去30年間、塩分が高くなって赤潮が出たことはほとんどありませんが、200年前は赤潮が今よりもっと出ていたことが柱状堆積物試料の解析で明らかになっています(Chemical Geology 218 (2005) 51-61)。
また大正時代に拡幅した直後にシジミ漁獲量が今のように増えたのではなく、漁獲量が日本一になったのは富栄養化により餌が増え、さらには他の産地が次々に減り、宍道湖シジミに対する需要が増えてからでした。
NHKの全国放送は影響が大きいので、誤解を招く発信にならないよう心がけて頂きたいものです。