EU、ほとんどの有機リン農薬を不認可に

化学物質問題市民研究会のニュースレター「ピコ通信」最新号(第129号)に
EU が16 年間の農薬リスク評価完了 ほとんどの有機リン農薬を不認可」というタイトルの記事がありました。
リスク評価の見直しが立ち上げられた1993 年の時点では、市場に出ている数万の製品中に含まれる活性成分は約1,000 種存在したのですが、見直しの結果、これらの成分の3 分の2以上が市場から撤去されることになったそうです。
EUでどのような農薬が使用されているかについて、下記がリンクです。
http://ec.europa.eu/sanco_pesticides/public/index.cfm

日本で一般に広く使われている農薬の多くが不認可農薬とされたわけで、特に有機リン系農薬は、ほとんど認可されていません。日本の農薬行政の立ち後れを痛感すると、同誌は指摘しています。
一方で同じ号に
岐阜市が薬剤使用に関する基本方針発表 日常的に妊婦、子供、病人がいる区域については薬剤を使用しないこと、等々画期的内容」
という記事がありました。下記に「趣旨」をペーストします。群馬県は農薬の空中散布を禁止しましたし、国レベルでは規制できないことでも、目の前で被害が起こっている自治体レベルでは、真に住民のための施策を提案しやすく、また支持も得られやすいのかもしれません。

【趣旨】
農薬、殺虫剤等の薬剤(以下、「薬剤」という)は、病害虫等の防除においては有効であるが、使用方法によっては、人の健康や環境に悪影響を及ぼす可能性がある。
また、日常的に施設の管理に使用されるその他の薬剤(以下、「その他の薬剤」という)についても、特に妊婦や子供、化学物質に感受性の強い市民や病人には健康被害を及ぼす危険性がある。
そこで、多くの市民が利用する市役所本庁舎をはじめとした市有施設が率先して病害虫等防除時に、できる限り薬剤を使用しない方法を推進するとともに、その他の薬剤の使用についても、人の健康と安全を確保し、環境への負荷の低減を図るため、この基本方針を定める。