冬学期に開講している学部対象の講義。その第二回が終わった後、「工学部の修士ですが受講していいですか」と声をかけてきた女性がいました。「覚えていますか?Uです。」え?あのUちゃん?
私が博士の3年だったか4年だったかに、理学部地理学教室の学部学生だったUちゃんは、宍道湖の調査をボランティアで手伝ってくれました。調査直前に骨折し、ギブスに松葉杖ついての執念の調査でしたが、さすがに素潜りはドクターストップ。そんな私に代わって何とか潜ろうとしてくれたのですが、ぷかぷか浮いてしまって悔しがっていた様子が思い出されます。
「就職、結婚、子育てを一通りやって、20年以上かかってようやく、念願の大学院進学を果たしました!」
そう言えば、「あの父親(と、その公害問題への献身的な取り組みで有名な方でした)のおかげで家計は火の車です」と、調査で雑談してました。それで就職したのでしょうか。あの頃、笑顔がすばらしく可愛らしくて、いつも明るい雰囲気にしてくれたUちゃん。いろいろあったと思いますが、あの頃の面影が残る笑顔が印象的でした。