霞ヶ浦ジオツアー

11月12日付記事でご紹介した「自然再生」事業が行われた境島地区。私はこの事業が行われる以前に地学の巡検でここに来たことがあると書きました。
その巡検を引率された先生に「境島地区がひどいことになっている」と連絡したところ、先日、ご自身で確認に行かれたとのメールが届きました。感想は一言、「ひどい!!!」でした。
境島地区のわけのわからない「自然再生植生」と対照的なのが、11月11日付記事でご紹介した河原植生の再生事業です。ダムなどができる以前の本来の河川地形に近い状態にすること、その上で特定の植物を植栽するのではなく、どう植生が変化するかを氾濫イベントとの関係も含めて長年に渡ってモニタリングすることにより、冠水頻度が高いところで河原植生が再生することが示されていました。植物だけを考えるのではなく、対象とする植生が地学的にどのような場で成立するかが、当初から考慮されていました。
霞ヶ浦ジオツアーをやりましょう。若者に伝えたいことがたくさんあります。」と、頂いたメールにありました。20年前の巡検と全く変わらないお元気さです。確かに、境島地区の湖岸改変を率先した方々に地学的な常識(=砂がたまる堆積環境に関する基礎知識)が欠如していたことは、間違いなさそうです。ジオツアー、やりましょうか。