水生植物にとって、底が砂か泥かの影響はとても大きいものです。たとえばアサザは砂がたまる環境、ヒシは泥がたまる環境を好むようです(たとえば諏訪湖での例)。なので、霞ヶ浦ではまだ砂を採取していると最近知って、とても驚きました。アサザ復活を唱えている団体のホームページには、砂採取に関する記載が見あたらなかったので(あるのかもしれませんが、少なくとも目立つところには本日時点でありませんでした。アサザの生育地という観点からは大問題のはずなのですが)。
確かに沖合に採取船がありましたが、あれは浚渫かと思っていました(見分けがつかないとの記載がネットにありました)。いまどき、湖で砂採取なんて(川でもやってないのに。。)という思い込みが敗因でした。
湖内の砂を持ちだしてしまうと湖岸に供給される量に何らかの影響はありますし、また深く掘ってしまうとそこに湖岸から砂が流れ出てしまうことも考えられます。
「霞ヶ浦 砂利採取」で検索すると、第11回霞ヶ浦意見交換会というページがヒットしました。そこでの質疑応答の中に、参加者からの下記の意見がありました。
「河川法では河川の中で砂利採取はできなくなっている。砂利採取を続けると堤防の基盤が弱くなり堤防が崩れたりする危険性があるからだと思うが、霞ヶ浦の場合は、河川法上の一級河川であるにもかかわらず、いまだに砂利採取を続けている。色々事情があるので急に止めさせるということはできないしそれを望んでいるわけでもないが、50年、100年後のことを見通すと、どこかで決断する時期が来る。霞ヶ浦の砂利を東京等のビルの建築材料として使うのではなく、霞ヶ浦で使うと良い。堤防の内側に砂浜を作って堤防の強化にも消波にも役立てる等」
これに対して国土交通省霞ヶ浦河川事務所は、
「砂利採取の是非については色々なご意見があるものと考えている。霞ヶ浦の砂利採取の許可については3年毎に砂利採取規制計画を立てて採取の許可量を決めている。許可量は漸減している。河川整備計画は30年先の計画であるので、整備だけでなく管理についても触れるものである。従って、砂利採取の長期的な計画についても頂いたご意見を踏まえて今後の砂利採取の許可にあたっていきたい。」
と回答しています。
この意見交換会が開かれたのは平成17年9月25日です。それから5年経って、現状は当時よりさらに減っているのでしょうか。そして、霞ヶ浦からこれ以上砂を採取しないという決断は、そろそろ視野に入っているのでしょうか。
霞ケ浦は指定湖沼です。従って、湖沼水質保全特別措置法に基づき平成23年から実施する「第6期湖沼水質保全計画」が現在検討されているはずです。土砂採取についてどのように議論されているのか、気になるところです。