水辺の小わざ

水域が本来有している生物の生息環境や、多様な景観を保全・創出するためにはどのような管理をすればよいのか。この本にはそのために必要な基礎知識と具体的な工夫が分かりやすく解説されています。
視野の広さと総合性、見通しの確かさ、地域住民と取り組んでいこうとする姿勢がにじみでている記載。関係者らの水域に寄せる思いの誠実さが伝わってきます。
後ろから2頁に、「川づくりは人づくりから 人づくりは魚とりから」との、代表者の言葉が大きく書かれてありました。代表者は生物学者です。同じ生物学者でも、湖岸の植物から入った人は、水の中の物理環境、水質、器としての地形などを全く見ようともせずに環境を語る方が多く、辟易していました。その点、魚や貝から入った人は、それらをきちんと見ないと魚や貝を守ることはできませんから、植物の方よりは信頼できる確率が高いと思っていました。
この本を見て、ますますそう思いました。
霞ヶ浦も、そこは本来どういう魚や貝が住んでいたかから保全を考えるならば、そして霞ヶ浦をパフォーマンスの道具に使おうとする団体がいなくなれば、かつてのような豊かな水域に戻れるのではないかと思います。

以下、山口県刊行物センターの解説です。
http://ymgbooks.jp/recommend/2009/02/001223.html

2007年に初版を発刊しましたが、すぐに品切れとなり、2008年10月に改訂増補版を発刊しました。
全国から注文が相次いでいる好評本です。
是非一度手にとってみて下さい。
申し訳ございません。改訂増補版も品切れとなりました。
土木、水産、環境の各分野で活躍する学識経験者や、県行政関係者などで構成する「水辺の小わざプロジェクトチーム」が、川と川に生息する生き物にやさしい環境づくりのための解説書「水辺の小わざ」を発刊しました。
内水面の課題と今後の振興策、県の川の生き物、小わざの好例などを紹介し、写真や地図などを多く使って分かりやすく解説しています。
「水辺の小わざ」とは、流域全体の生態系をより豊かにするために、川の生きものの一生や川全体の特性を把握し、その水辺にふさわしい効率的な改善策を、さまざまな視点で工夫する県独自の取組といえます。