巨礫を動かす洪水

今日の屋久島は記録的な豪雨に見舞われたと、帰宅して見たテレビで報道されていました。娘が山村留学していた栗生地区の近くにある大川(おおこ)の滝は、岩肌が全く見えず、水の壁がそそり立っているようでした。
昨年度卒業したK君の修士論文は、この屋久島の河川勾配と礫径の関係を議論したものでした。通常なら土石流で運ばれた巨礫が堆積するとされる勾配に当たる屋久島の河川では、非常に巨大な礫ではあるが、礫径分布からは土石流ではなく水で流されたものであると結論づけました。
「一体、どんな洪水なんだろうねぇ、こんな巨礫を流すなんて。。」と川を見ながら話していました。
今日見た、土石流のように水が壁になっている映像に、納得する思いでした。
K君の修論の結果は、今後ヒマラヤ山脈の急勾配河川で、氷河の融水の増加で湖沼が決壊して洪水が起こると、土石流のような土砂移動が起こる可能性を示していると考えています。
地理出身なのにこれまで全く投稿したことがなかった「地理学評論」に、屋久島の結果を投稿しました。どんなコメントが返ってくるか。

追伸:
本日(8日)、心配だったので、屋久島の里親さんに電話しました。洪水警報がずっと続いているので家から出ないようにしている。でも今回は船は止まっていないので、店から物がなくなるような事態にはなっていない。また栗生川も洪水にはなっていないということで、安心しました。お見舞いの電話なのに、甘ったれの娘は「もしかしたら高校、うかんないかも〜〜〜」などと、里親さんが心配するような愚痴をこぼしてました。ったく!そう思うんなら、ちょっとは勉強しなさい。