人とある湖

昨日は陸水学会松江大会の公開シンポジウム「指定湖沼が直面する諸問題 −湖はどうあるべきか」 のコンビーナーを務めました。諏訪湖霞ヶ浦、琵琶湖、宍道湖、中海の5つの指定湖沼の現状と問題点をご紹介いただいたあと、総合討論で原単位法による負荷計算の問題点や、CODは環境基準として適切なのかなどが議論されました。
湖はどうあるべきか、本当に難しいと改めて感じたのは、琵琶湖関係者の方からの発言でした。琵琶湖では何によって水が汚れていると感じるかアンケートをとったところ、悪臭や濁りなどを抜いて水草のゴミがトップになった、という趣旨でした。
琵琶湖では一時、沈水植物が壊滅状態になりました。1994年の渇水以降、南湖では在来の沈水植物を中心に水草が復活しました。しかし、水草が無い状態に慣れた湖岸に住む方からは、新たに現れた水草はゴミにしか見えないのかもしれません。
けれども、水草がある状態があちこちで普通になれば、違和感はなくなるかもしれません。例えば下の写真は松江市内を流れる川です。私はこのルートをいつもジョギングするのですが、この沈水植物は昨年までは無かったと思いますが、宍道湖周辺では至る所で沈水植物が復活して、あるのが当たり前のようになっています。

復活の気配もない手賀沼霞ヶ浦も、いつか突然復活するのか、それともそれを阻む要因があるのか。私は後者だと考えています。そして、阻害要因の解明だけでなく、復活してしまったときの対処も考えなければと思っています。