アサザ植栽による環境劣化の実態を学会発表しました

本日、第46回日本水環境学会年会で「霞ヶ浦アサザ植栽地における堆積物の特徴」というタイトルで発表しました。境島や根田の消波堤内側では、植栽したアサザが一度は繁茂したものの、数年以内に消滅しました。その後アサザ基金は子供達に何度も植栽させたのですが、定着しません。その理由をアサザ基金は「水位操作が原因」と決めつけています。それならば、同じ霞ヶ浦にある麻生や和田岬の自生地で消滅しない理由が説明できません。
原因は、枯死したアサザ有機汚濁となり、堆積物が慢性的に酸素不足になったからでした(全硫化物濃度で示しました)。本研究からアサザ基金によるアサザ植栽は霞ヶ浦の環境を劣化させていることと、アサザ保全にもならないことが明らかになりました。
質疑応答では霞ヶ浦に関わっていた方から「アサザ基金による妨害を恐れずに、このような研究を遂行された勇気に敬意を表します。」と言われました。霞ヶ浦の現場でアサザ基金がどうみなされているのか、全国の研究者にはからずも伝わって、ありがたく思いました。