ビオトープにアサザを植えるのは慎重に

昨日の記事を読んだ方から小学校のビオトープアサザとガシャモクを植えているが、ガシャモクは成長できていない。参考にしたいので詳しい内容を教えてほしいとのメールを頂きました。
学校のビオトープアサザを植えるときには、アサザだけの池になってもよい場合に限って下さい。特に沈水植物の多くは、浮葉植物(アサザのように葉が水面を覆う植物)に覆われると生きていけません。抽水植物との組み合わせならOKと思われます。
アサザを植えることで鳥や虫、魚が増えるなどとアサザ基金は書いていますが、池一面に覆って酸欠になれば、少なくとも水面下の魚や貝は斃死します。また鳥や虫が特にアサザを好むわけではありません。アサザは逆に、動物からの補食を免れる忌避物質を有しているという報告もあります。私が霞ヶ浦で観察した印象でも、アサザよりもトチカガミの方がよく食べられていました。
昨日の学会で若手研究者の方から「アサザ基金がそういう団体だったことを、うかつにも気づいていませんでした。」と言われました。湖沼の現場経験がなければ、アサザ基金の絵に騙されるのは仕方ないと思います。
「学生さんには、まず現場を見てもらってください。湖の現場を観察してからアサザ基金のホームページを見たら、科学的に間違いであることが分かります。私は講義の一環で、アサザ基金のホームページを見せて、どこがペテンが考えてもらうようにしています。」
とお答えしました。