関西で10年以上繁茂しているアサザ生息地を見てきました。
下の写真は大阪府の都市河川にある群落です。
これは和歌山県の住宅地前の水路です。水深は10cm未満、排水口の前。それでも10年以上アサザ群落があります。
そしてこちらは、京都府の、最近アサザが入ってきた田んぼの排水路。ここも水深は10cm未満。上記の水路同様、泥地でしたが、どちらも霞ヶ浦の根田(アサザ基金が植栽を繰り返した地域)のような硫化物臭はしませんでした。とても浅いので、酸欠にならないのだと思います。
アサザという植物は、水路ではかくも強いのです。なのにアサザはなぜ減ったのか。アサザという植物の理解は、そこから始めるべきでしょう。
そしてアサザ基金が現在の霞ヶ浦流域で本当にアサザを保全したいのなら、子供達に植栽させる前に、霞ヶ浦で10年以上存続する群落はどういう環境にあるのかに学ぶべきではないでしょうか。どういうところがアサザに適しているのか解明してもいないのに、子供達に植栽させる意義は何なのでしょう?
霞ヶ浦のアサザが衰退した原因は、波あたりではありません。なぜなら、10年以上アサザ群落が存続している和田岬も麻生も、波あたりが強いからです。そして水位操作が植栽失敗の原因でもありません。なぜなら同じ霞ヶ浦で、両所ともアサザは生きているのです。
私は北陸から関西まで広くアサザを見てきた上で、霞ヶ浦のアサザは本来どういうところにいたと考えられるのか、ブログで書いてきました。そして念のために水生植物の保全を研究している専門家にも確認してきました。アサザ基金がやっていることは専門家の誰一人として、自然再生でも、絶滅危急種の保全にもならないと明言されているのです。