ネットワークでつくる放射能汚染地図6 川で何が起きているか

昨日6月10日22時に放映されたNHK教育テレビETV特集 ネットワークでつくる放射能汚染地図6 川で何が起きているか」での阿賀野川の結果が、かねてから私が霞ヶ浦で危惧していたことを反映した内容になっていました。
原発事故直後に茨城大学霞ヶ浦を研究している知人に、「泥食の動物に放射線が蓄積する可能性があるので、いまのうちからサンプルを冷凍すべき」と伝えました。放射線は砂ではなく粘土にはるかに吸着するからです。また霞ヶ浦ではヘドロを浚渫しているのですが、このヘドロにどれくらい放射線があるかを調べる必要があると、放射線汚染を危惧する市民団体の知人に伝えました。思っていた通り、阿賀野川下流で調べた結果では、砂ではほとんど放射線は検出されず、粘土では検出されていました。
また阿賀野川では上流で最も濃度が高く、中流では低く、下流の汽水域で高くなっていました。粘土のような細かい物質は、塩分が変わると凝集して沈殿するものがあります。ですので、塩分が高くなった河口域に、上流から運ばれてきた粘土がたまりやすいのです。この結果から、霞ヶ浦の水門を操作して塩水を入れれば放射線濃度が下がるとの一部団体の主張は、根拠がない可能性がかなり高いと言えます(逆効果の可能性さえあります)。
一般の方々も、霞ヶ浦に入る水量が増えれば早く薄まると考えがちのようです。この番組を参照してもらうことで、理論と現実から説明できると思いました。