サンデー毎日の報道について

サンデー毎日」(平成24年7月15日号)は「東大教授が東大話法で“大暴走”」と題した記事を掲載しました。安富東大教授と飯島アサザ基金代表理事が、この記事を根拠に私を批判しています。ですので、この記事が事実無根であれば、彼らの批判は根拠を失うことになります。

当該記事2ページ最上段の4行目には「当の山室教授は東大転身後、国交省天下り組が理事長を務める財団法人「河川環境管理財団」から、少なくとも05、06、10、11年度に助成(金額は不明)を受けている。同時に国交省茨城県から多額の事業委託を受ける「霞ヶ浦市民協会」の会員だったこともある(現在は退会)。」と書かれていて、最下段6行目には「山室教授は国交省の責任は追及していない。」とあります。これだけだと読者は、私が国土交通省助成金を受けているから国土交通省の責任は批判していないのだと思うでしょう。実は「山室教授は国交省の責任は追及していない。」は事実無根で、私は国土交通省の責任を追及していて、その事実を記者に伝えました。記者からの質問とそれに対する私の回答は下記PDFに記されています。
追加の質問回答.pdf 直
そこにもありますように、NPO法人アサザ基金はホームページで、「国交省天下り組が理事長を務める」財団法人河川環境管理財団の報告書を引用して、粗朶消波施設の妥当性を主張しています。このことからNPO法人アサザ基金は河川環境管理財団について、例えば国土交通省の利益や見方を代弁することなく、科学的に中立の立場で運営されていると判断していると考えられます。私も同様に考えています。

余談ですが、この記事を読んで私の知人は爆笑していました。私は20代から農水省による宍道湖・中海干拓淡水化事業に対して反対し、霞ヶ浦についても国交省による浚渫事業に対して批判記事を書いています(山室真澄(2006) [総説] 浚渫が水環境に及ぼす影響.海洋理工学会誌 Vol.12,No.2,59-63(2007年5月発行))。私を知っている方から見たら、私を御用学者に奉ろうとするこの記事は荒唐無稽なのです。

当該記事2ページ下から2段目の10行「粗朶ではヘドロ化しないことが調査で分かっている」との飯島氏の発言が非科学的であることは7月22日付記事で指摘しました。

当該記事最下段最後から6行目「事実確認や討論など同基金との直接対話は一切ないという。「科学的に批判する作法すらわきまえていない」(飯島氏)。」も事実無根で、2010年10月6日にメールで質問いたしました。送信エラーはでていませんから届いていると思います。さらには2010年10月6日付記事で、「なおこの質問は下記のブログで公開しています。お返事も公開することで公平を期すつもりですので、ご回答よろしくお願い申し上げます。」と明記しており、私のブログ記事について批判を重ねているアサザ基金が読んでいないはずはないと思います。本日まで一切回答をいただけていません。

こういったデタラメ記事を根拠に批判している方々こそ、「東大話法 −欺瞞の言語」を操っているように私には見えます。