水面が葉で覆われても酸欠しないと妄信する生態学者

昨日の記事で紹介したように、地元住民が大反対していたアサザ保全事業をアセスメントもせずに国交省が断行できたのは、某生態学者とその師匠が全く科学的根拠もないまま「霞ヶ浦で緊急対策をしなければ日本のアサザは絶滅する」と主張したからでした。公共工事による自然破壊を食い止めるべく成立したアセスメント法を、全く骨抜きにしてしまったのが彼ら生態学者です。
下にある常陽新聞の記事を見ればその生態学者が、水面が葉におおわれてもアサザであれば酸欠しないという趣旨の発言をしていたことが分かります(水面が葉で覆われればアサザであろうがウキクサであろうが酸欠になるのは常識ですが、こういった主張を臆面無くする自称生態学者がいるので、私は実際に霞ヶ浦アサザで覆われたところの酸素濃度を測定して、酸欠していることを論文で発表しました)。
2001年7月.pdf 直
ところで、なぜこのような修正記事が出されることになったか、不思議に思いませんか?私はその理由を知っていますが、敢えて書きません。皮肉なのは、この修正記事を書かせたためにかえって、某生態学者の無知蒙昧ぶりがさらけ出されたことです。もとの記事は下記なので、修正記事さえなければ、水草によって酸素がどう変化するのかさえ知らないことがバレずに済んだのです。お気の毒(というより滑稽ですね)。
2001年6月.pdf 直
この記事によると、1972年時点でアサザは2箇所でしか繁茂していませんでした。現在は国交省が設置した石積み消波堤に次々侵入しています。麻生の群落が消えたから日本ではアサザが絶滅するなどと荒唐無稽なことを言っている団体もあるようですが、2015年10月14日記事で紹介した場所では、今でもアサザが立派に繁茂しています。もし水位操作によって衰退するのであれば、同じ霞ヶ浦で繁茂地を拡大することができるはずがないですよね。このことからも、某生態学者が国際誌でも書いた、水位操作によりアサザが衰退したという記載も事実無根だったことが分かります。この国際誌論文は日本の恥なので、昨年アメリカで行われた学会で事実無根であることを説明しました。目下、「これはファンタジーを信じた生態学者を名乗る人物によるデマカセです」という趣旨の論文を準備しているところです。
(追伸)
何の根拠も示さず「山室氏の書いたもののうち、もっとも単純な間違い」などと失礼なツイートをした某生態学者がどういう主張をしてきた人物なのか、3回にわたって紹介しました。「この生態学者が霞ヶ浦の生態系を破壊した」は、安定した地位も収入も何もかも投げ打って、霞ヶ浦保全に人生をかけてこられた方の言葉です。あのツイートを見てこのブログにたどり着いた方々のご参考になれば幸いです。