アサザを取り上げた地図帳が修正

「義務教育を濫用するアサザ基金の詐欺行為」と題して2012年4月1日付記事で義務教育の副読本に誤った内容が掲載されていることを紹介しました。「霞ヶ浦では子供達がアサザを植えているので、人口が増えても水質が悪化しない」と誤解を招きかねない内容でした。

同じ地図帳の今年度版を取り寄せたところ、明らかにおかしいところが修正されていました。修正箇所の新旧を赤枠で囲んであります。

霞ヶ浦アサザが減った原因は「護岸工事など」とされていた部分が修正されています。また「水質浄化に効果があるとされるアサザ」も削除されています。
CODと人口のグラフの説明では、「下水道の普及などにより汚水の流入を抑えることで、値の上昇が抑制され」と解説が入っています。
因みに、グラフの元になった図は下記ではないかと思います。本来はこの図と差し替えるべきだと思いますが、一度検定を通った教材なので、そこまではできなかったのでしょう。

写真だと内容が見にくいので、関心をお持ちの方は下記ファイルをダウンロードしてご覧ください。修正前と修正後の地図帳、水質変化の図が入っています。
地図帳.zip 直
教科書や副読本に間違った内容が出てしまうと、次世代に与える影響は計り知れません。環境教育の強化や、そのためにNPOを活用するという方向が国レベルで検討されている中で、環境に関する基礎的な知見を有しない団体による宣伝行為によって子供達が洗脳されないために、実効性のある対策が望まれます。

(追伸)
世の中には様々な人がいるもので、修正前の地図帳の記載でも「『霞ヶ浦では子供達がアサザを植えているので、人口が増えても水質が悪化しない』との内容を読み取ることは不可能だ」と主張している東大教授もいます。下記ブログにもあるように、この方とはメールでいろいろやりとりし、その結果、私は「イカレテイル」と判断したそうです。そのメールは一式残してありますので、一方的な主張を繰り返されるようでしたら公開するしかないかなと思います。
http://anmintei.blog.fc2.com/blog-entry-937.html
このブログで引用されているサンデー毎日記事で「東大が調査中」となっている件について、アサザ基金は下記の声明を出していました。
http://www.kasumigaura.net/asaza/asaza/images/121122todaikenkai.pdf
「山室氏の文書には事実やデータの捏造や作り話、都合の良い書き換え等が随所にあり、そもそも科学的な議論の前提条件が損なわれていると云わざるを得ません。」と明記していますが、どの論文のどのデータなのか具体例を書いていないこのような文章は、誹謗中傷と言えるでしょう。これに対して私のブログでは、アサザ基金の主張のどの点が非科学的か、事実に反しているのか、具体的に指摘しています。この為、「アサザ基金の欺瞞」の記事などは理系の研究に馴染みのない方にはしつこくて読みにくい文章になっているかもしれませんが、専門家の立場から正確を期しているということでご理解いただければと思います。