消えたヘドロ

今回の調査で何が感激だったかって、これほどすごいことはそうないと思うほど感激でした。
1990年代の宍道湖、コアを取ったら上部20cmくらいは水とも泥とも言えない黒々ふわふわした部分があって、その下にようやくドロドロとした部分があって、、、という感じでした。
今はその黒々ふわふわ、いわゆるヘドロと称していた部分が宍道湖のどこでサンプリングしてもなくて、いきなりドロドロとした部分が出てきます。初めて湖底堆積物を見た現学生さん達にとってはこれが「ヘドロかぁ」と思うのかもしれませんけど、20年前に30代だった現課長さんや、現グループ長さんや、なぜか教授になってしまった私なんかが3人揃って、無い、無い、あの時のヘドロが無いよと、半日興奮してました。何をやってもよくならないではないかと非難を浴びながらも続けられた施策が、こんなに歴然と実を結んでいたなんて!
アオコがでてます、シジミが減りました、宍道湖は今危機的状態にありますと煽る方々はいますけれど、最悪を現場で見てきた私たちからすると、今の湖底は確実に良くなっています。それを実証してくれたのが、この試料たちでした。