美味しんぼ島根編完結!

スピリッツ連載中の「美味しんぼ 日本全県味巡り島根編」は9月3日号で完結しました。
海原雄山側の「至高のメニュー」最後の一品は宍道湖ヤマトシジミの味噌汁。思えば宍道湖の淡水化が進められていた1980年代、山岡士郎海原雄山宍道湖の味噌汁を食べさせるというストーリーで「美味しんぼ」で取り上げられました。その味噌汁を約30年を経た今、海原雄山側が出してきたのが、面白いと思いました。作者は確実に、前はどんなストーリーだったか覚えておられるでしょうから。
関係者によると、当時は宍道湖淡水化問題を何とか全国の方に知ってもらいたいと、超人気漫画だった「美味しんぼ」に目をつけて、作者に松江まで来ていただいたのだそうです。
その宍道湖ヤマトシジミは、ここ10年で急激に減っています。宍道湖シジミは水産的に重要なだけでなく、宍道湖の水質を維持する上でも重要な役割を果たしていることが、私の学位論文で明らかになっています。宍道湖シジミを維持し、適度な漁獲を続けることが、宍道湖の豊かな生態系を守ることにつながります。
今大切なことは淡水化の時と同じように、住民にとってどういう生態系が守りたいものなのか認識を共有し、そのためにはどうすればよいのか、科学的にしっかりした裏付けのもとに仮説を立てて、施策を進めることだと思います。