某学会誌の編集関係で、この1年、環境関係でどういう動きがあったかまとめていました。水関係、特に私の専門である汽水・沿岸域では諫早干拓事業が重要問題のひとつです。昨年12月に当時の菅首相が「5年間の潮受け堤防排水門開放」を国側に命じた福岡高等裁判所の判決について、上告を断念すると表明しました。しかし4月19日に開門調査の差し止めが農家から提訴されるなど、開門調査についてはいまだ対立が続いています。
2月6日には愛知県知事・名古屋市長同時選挙があり、長良川河口堰開門調査を公約した候補者が当選しました。しかし開門調査を求めた愛知県の専門委員会報告書について「開門すれば塩害に加え、渇水のリスクが高まる」と国側は反論し、議論はかみ合っていません。
何らかの進展が求められる上記の水域で、来年こそは、わかりにくい点、対立点が、科学的なデータに基づいて合理的に議論されるよう願っています。