宍道湖では一部の研究者によって、事実に基づかない提案や見解が示されてきました。いわくヨシを植えればシジミが増える、いわく宍道湖ではレジームシフト(ここでは栄養塩濃度の低下により濁度が下がること)により沈水植物が繁茂するようになった。。。
現実は下図の通りです。昨年度末あたりから折りに触れてこの図を眺めては、シジミが減った原因はこれだろうか、あれだろうかと推理しています。
この図から、ヨシ植栽事業が始まってからCODで表される有機汚濁は悪化し(ピンクの○)、シジミ漁獲量は減少していることが明らかです(緑の棒グラフ)。沈水植物の1種であるオオササエビモが湖岸の至る所に繁茂するようになったのは、水質がよくなったからではないことも一目瞭然です。霞ヶ浦のアサザ植栽事業同様、非科学的な主張をする学者・団体は残念ながら宍道湖でも声が大きく、閉口してきました。最近ようやく、心ある方々のご尽力により、住民もこういった非科学的な主張に疑問をいだくようになってきたようです。
なぜシジミ漁獲量が減ったのか、なぜ近年になってCODが増加傾向にあるのか。近年になく塩分が上がり猛暑が続いている今年の夏は、ある意味、自然が実験してくれているのだと思います。根拠のない主張をふりかざす研究者・団体には批判的に対処し、現実に起こっていることを科学的に解析し、真の宍道湖再生に向けて合理的な判断を導き出しましょう。