手賀沼のハス群落

昨日(8月1日)は手賀沼ハス群落の調査に行きました。相変わらずの拡大ぶりで、船頭さんによると、橋の手前にあるヒメガマ群落を3年で80mくらい駆逐しているそうです。このままだとあと数年で橋までびっしりハスになってしまうかも。

ハス群落の中は、相変わらず人より高いハスの葉が密生し、水はよどみ、たまった枯死体によって水中は酸欠状態。メタンガスがぶくぶくでてきます。

手賀沼のハスは食用起源と言われているにしては、白色ではなくピンク色です。色は美しいのですが葉の下で咲いていることが多く、観賞にはイマイチです。

今回の調査ではハス群落内外で堆積物や水質調査。堆積物については、島根大学出向中の特任研究員のSさんに来ていただき、硫化水素を測ります。奥の船ではハスの現存量を調べています。空中から群落の写真を撮って被覆状況を数値化するという、陸水研の得意技も採用されています。

今回はそれに加えて、当専攻教員のK先生にご指導いただき、ハス群落が流れに与える影響を石膏球を使って測定しています。写真は群落の開放水面に近いところに設置した石膏球です。流れによって石膏が溶けています。溶けた部分の位置と量から流れを復元します。湖沼における密な水生植物群落中の流れを定量化した研究は調べた限り見つからなかったので、今回の調査結果がとても楽しみです。

以上の結果は9月中旬に大津で開催される陸水学会で発表する予定です。