アカニシ寿司

「すべてのネタが平日一皿90円」を売りにしている回転寿司チェーン店「はま寿司」のチラシが自宅に入っていました。みると期間限定でアカニシの握りを出していました。

カニシはホトトギスガイを丸呑みする姿がとても印象に残っている貝です。
http://nes.nenv.k.u-tokyo.ac.jp/profile/photo_images/picup_06.html
中海の干拓予定地だった本庄工区にゴロゴロという感じで生息していて、1997年当時、地元では食材と見なされていませでした。アカニシは岡山ではサザエより高値で取り引きされると言われていたので、どんな味かと潜って取ってきて煮物にしました。結構おいしかったので地元でご紹介した記事が、下記リンクでまだ生きていました。
http://vege1.kan.ynu.ac.jp/nakaumi/ms1/sensui.htm
http://vege1.kan.ynu.ac.jp/nakaumi/oryori/akanisi.htm

そのアカニシが寿司ネタになっているなんて、これは食べるしかない!と分析の合間に行ってきました。少しゆでてあるので生貝のような食感や独特の香りが乏しいですが、こういうものだと思えばそれなりにおいしいと思いました。

「はま寿司」でネタになるくらいだから、取れば確実に売れるのにと思って「アカニシ 中海」で検索したら、下記リンク(平成13年の番組紹介)で「「オダエビ、赤貝、十神もずく、サヨリ、ふな、藻場ふぐ、鴨」を中海七味と呼んでいたけれど、ほかにもモロゲエビ、うなぎ、アオデガニ、アカニシ、エノハ、ゴズも入れてもいいのでは?とのお話が出ました。」とありました。この頃には地元でも食べるようになったようです。
http://gozura101.chukai.ne.jp/p/page/chukai/project/nakaumi/program/program9/

ちなみに宍道湖・中海ではセイゴ、コノシロ(=コハダ)、サッパ(=ママカリ)といったおいしい魚が大量に網に入るのに食材とみなされず捨てられています。これらを含む未利用水産生物の有効利用は、当時行われていた浚渫より水質浄化効果があると思い計算したら、案の定だったので論文にしたのですが、いまだ有効利用されていません。。。
食物連鎖を利用した水質浄化機能の定量化 、水環境学会誌 Vol. 23 (2000) No. 11 710-715