大学に移動する1年前の2006年5月までは、Macをメインに使っていました。フィールド調査でMacは観測装置とつなげないなど不便が多かったことからWinに乗り換えましたが、統計ソフトやグラフ作成はOS9までのMacのソフトがとても使いやすく、またOS9までのソフトは以降のソフトで読み込めないことから、下の写真のPowerbook G4は大事に取っています。つい昨日も宍道湖の研究で1996年に作成した図を探し出し、Canvas上でAI形式に変えて、何とかWinに持ってきました。
このPowerbook G4は、昨年、ハードディスクが壊れました。この機種しかOSX上でOS9を立ち上げられるものはないため修理できないか業者さんに尋ねたところ、そういった需要は結構あるとのことで、無事修理できました。旧ハードディスク上のファイル類は全て失いましたが、幸いバックアップを取っていたので、2006年までの全データは無事でした。
バックアップを取っていたのは6GBのマイクロドライブです(写真でPCの上にのせているものです)。マックを使い始めてから約20年間のデータがわずか6GBというのは驚異的ですが、当時は画像など重いデータをパソコンで見るということはハナから諦めていて、気球から撮影したサンゴ礁の写真やビデオなどはワークステーションにいれていたので、この程度で収まっていたのでしょう。
現在使っているWinのデスクトップのハードディスクは600GB。わずか8年で100倍近くを日常的に使用するようになっているわけで、情報管理に使う時間が若干増えているのは仕方ないことなのでしょう。
私が初めてコンピューターに触ったのは、30数年前の学部1年のとき。Fortranの簡単な計算をパンチカードで読み込ませていました。この頃の記録は一切残っていません。卒論・修論は宍道湖248地点×11項目くらいの相関係数の計算やその図化を、磁気テープに読み込ませて大型計算機センターに持ちこみ、TSSで計算させ、プロッターで図にしていました。PCの記憶メディアはA4サイズに近い平ぺったいフロッピーディスクで、せいぜいワープロ機能しか使えず、英語論文は電動タイプライターなるもので打ち出していました。この頃の記録は紙媒体だけが残っています。講義で学生に見せたら、驚かれます。
修士くらいになってLotusという表計算ソフトが使えるようになり、フロッピーディスクもA5程度まで小さくなって多少現実的に使えるようになりました。この頃のデータはLotusが入ったぺらぺらのフロッピーを保存していますが、読み取れるディスクドライブがもう骨董品になっていることでしょう。
コンピューターの進化がまだまだ止まりそうにない状況で、大事な研究記録をどのような形で残していけばよいかは、手が抜けない課題です。