宍道湖に注目!

シジミ漁獲量日本一の座を十三湖に明け渡し、なおも漁獲量減少が止まらなかった宍道湖。幸いなことに昨年は、塩分上昇が原因で漁獲増に転じました。今年はどうなるのか、地元ではマスコミも注目していて、一昨日の夕方は島根限定のNHKニュースで、私のインタビューが放映されました。6月には特集番組も放映されるとのことです。
私が宍道湖の研究を始めたのは1980年。当時は淡水化事業が進んでいて、長良川河口堰問題とともに公共工事による環境改変として全国的に注目されていました。
宍道湖を日本一海外で知られる湖にしたら、非科学的なアセスメントが出せなくなるかもしれない。」と、今以上に単純だった私は頑張って国際誌投稿に挑戦していました。淡水化が1988年に延期になって以降も宍道湖・中海を題材に書き続け、地質調査所に就職してもミッションと平行してプロジェクトを立て、ヨーロッパのラグーン(潟)関係学会で2度行った招待講演も宍道湖・中海。親しい友人は宍道湖のことをいつも「Masumi's Lagoon」と言ってます。
淡水化問題の際は、「宍道湖を淡水化したら、霞ヶ浦のようにシジミが取れなくなりアオコの湖になる」と、水産関係者だけでなく周辺住民の方も一致して反対していました。今、宍道湖はまさしくその危惧通りになりつつあります。
このような宍道湖で、人がどのように関わることで持続的な生態系が維持できるのか。
宍道湖はおそらく、世界中のラグーンで参考になる結果を示すと思います。マスコミを通じて地元の方々に理解を深めていただくのと平行して、これまで以上に効果的に、宍道湖を世界に伝えていく方策を検討せねばと思います。

(蛇足)
世の中では時々、宍道湖を「穴道湖」と誤植することがあります。ご注意ください。