諏訪湖でも沈水植物が異常繁茂する兆し

8月31日付記事で沈水植物が繁茂しだすと大変なことになりかねないと紹介しました。
今日、諏訪湖の次期湖沼計画関係の会議に出て、心配していたように諏訪湖でも沈水植物クロモの大発生が始まったと知りました。ネットで検索したら下記の記事が見つかりました。漕艇場など、練習ができない事態になっているようです。
https://mainichi.jp/articles/20170824/k00/00e/040/214000c

諏訪湖ではヒシも大繁茂したままです。在来の沈水植物が復活する頃には浮葉植物のヒシは減るという見方もありましたが、それは幻想に過ぎなかったことが証明された感じです。

近い将来、多くの平野部湖沼で沈水植物の効果的な除去が必須の技術になると思います。その時に問題になるのが濁度です。宍道湖のケースで明らかなように、沈水植物が繁茂すれば透明度が高くなるとは限りません。栄養塩濃度が変わらないのですから、植物プランクトンによる濁度はほとんど影響を受けません。濁度が高いところで沈水植物が繁茂しだすと、上からは見えないので刈り取りもできないうちに、いつか湖沼全体を覆ってしまった、ということになりかねないのです(濁った湖沼に沈水植物が生えないというのも幻想です。それなりの光量に適応した植物が生えます。そうでなければ、なぜ非常に光量の乏しい湖沼の深部にシャジクモ類が生えるのでしょう?)

あと数年のうちに、沈水植物と植物プランクトンのレジームシフト説を信奉していた生態学者達は完全に面子を失うでしょう。それはそれで小気味よいのですが、湖沼管理者にとっては大変な事態になるので、今年の助成金申請レースは沈水植物刈り取りネタで行こうと思います。