フィールドサイエンティストとしての自信は生活への自信にもつながる

フィールドサイエンスとは、実験室のように条件が整理されていない現場から、自分が問題としている事象がどのようなメカニズムで起こっているのか大筋を導き出す学問だと思います。ですので実験や理論よりも、現実の問題に最も有効な対策を示すことができるのがフィールドサイエンスでしょう。
私は一流のフィールドサイエンティストになることを目指し、既存の論文よりも現場で得たデータを重視して問題解決を試みてきました。
その結果、Odumを中心に「サンゴ礁では栄養塩を内部で循環させているので生態系全体での正味の生産はゼロ」とされてきた理論に対し、「サンゴ礁では窒素固定系が卓越しているので、生産はゼロではない」と窒素安定同位体比の結果を示して主張、今では私の考え方が正しいと、生物系の研究者からは受け入れられています。
日本レベルでも、平野部の沈水植物が消滅したのはSchefferのAlternative stable satate 理論が説く富栄養化ではなく、除草剤使用が原因だと著書や論文で唱えました。またこの見解が正しいとしたら、除草剤使用量が減れば濁度が減らなくても沈水植物が復活するはずです。宍道湖ではその通りになりました(この現象も論文にしました)。
宍道湖限定ですが、シジミ漁獲量が急減したのは上流にダムができて底質が細粒化したからだとか、シリカ欠損だとか言われてました。私は塩分が低すぎるからだと主張しましたが誰も信じてくれません。この時ばかりは「どうか塩分を上げてください」と科学者としては禁じ手の神頼みをしたところ、2013年に通常の倍の塩分になり、宍道湖シジミ漁獲量日本一の座に復活しました。
こういった経験があるので、私は文系出身ですが、フィールドサイエンティストの才能は十分あると思っています。そして考えたのが、この才能を使って資産運用もできるはずだということでした。
手始めにアパート経営を考え、本などを読まずに直接不動産屋に行き、何度か物件を見せてもらううちに「これだ」と思った物件を購入。このアパートからの収入と年金で、定年後も十分暮らせる収入を確保できました。
次の目標が、自然環境学専攻の不祥事隠蔽を指摘したことでイヤガラセを受けていたことの解決に使った弁護士代などの経費を取り返すこと。これには株がいいだろうと思い、和解話が進んだ2016年8月頃から、本なども多少読みましたが、自分で実際に経験するのが一番と試行錯誤しました。その結果、2017年2月にRIZAP株に注目、この株の値上がりだけで数百万円以上かかった経費と赤字になった株の損を取り返してお釣りが来ました。今はアパート経営、株取引にFXも加えて運用をより安定化させようと試みています。
東京大学教授で自ら形成した資産が最も大きいのは本多静六氏と思われますが、この方も理論家ではなく、現場を重視する林学家・造園家でした。フィールドサイエンスは現場に左右されるので、理論や実験系の学問より論文を出すのが難しいです。このためになかなか就職できなかったり、就職できても大学などで他の学問より発言力が小さいなど、悔しいことがいろいろあるかもしれません。でも、本多静六氏ほどの財力を貯めることはできなくても、現場で起こっていることから本質を見抜く目を養うことで、老後の安定した生活や、うまくすれば貯めた資産で自分の研究所を作って生涯現役を貫ける可能性があります。何より、どのような問題が起こっても屈することなく、冷静に合理的に対処する習慣が身につきます(例えば私の場合、交通事故後の異様なだるさと英語が話せなくなったことについて多くの医師から「気のせい」「更年期」と言われましたが、脳に何か起こったと推定、脳脊髄液減少症と診断され快方しました)。流行の理論に惑わされることなく、我が道を行きましょう。