次は五大湖

今回の国際会議には五大湖関係者が招かれていたので、私の招待講演では「Green tide from sea coasts to freshwater lakes」と題して、世界の多くの沿岸域で淡水・海水にかかわらず底生藻類の異常増殖が起こっていること、その原因はおそらくリン供給の増加であること、好気的環境で硫化水素が発生することが共通していると指摘しました。
宍道湖では2007年頃からシオクサが発生するようになり、原因のひとつはおそらく除草剤使用量の減少、もうひとつはリンの増加と考えています。
そして宍道湖そっくりの状況にあるのが五大湖です。昨日のディナーで五大湖関係者に直接お話を聞いたところ、五大湖でもシオクサが大発生していて、その原因はリンの増加であるということまでは異論がないものの、外来二枚貝によるリン排出増加が原因なのか、農業起源の面源負荷増加が原因なのかで意見が分かれているとのことでした。
「私の発表で紹介した宍道湖五大湖は、シオクサが大発生していることと二枚貝が多いこと以外に、アオコが発生していることも共通しているんですよ。比較研究すると面白いと思うんですけど。」と降ったら予想通り「そうだよね。」ということになり、早速彼らの弟子で現役で五大湖を研究している若手を紹介してもらえました。
冒頭で共通点を紹介しましたが、海岸ではアオサの仲間が繁茂することが多く、バイカル湖ではSpirogyraという緑藻が繁茂していて、種類が異なっています。琵琶湖でも緑藻が増えていますが、全く別の種類のようです。そんな中でなぜ宍道湖五大湖はシオクサなのか、興味深いところです。
予算申請のやる気度が一気に高まりました。