宍道湖ではウナギやワカサギと同時にトンボも消えた!

本日の毎日新聞に「アニマルクライシス ネオニコ系農薬、生態系に影響か」との記事が掲載され、宍道湖でネオニコチノイドによってウナギやワカサギの餌が減って、93年、94年と漁獲量が激減し、以後資源が回復していないと論じた私の論文が紹介されていました。
この記事ではさらに、宍道湖では同時にトンボが減っていることを紹介していました。ナゴヤサナエは92年までは羽化数が100以上だったのに、93年以降は26~65で推移、ウチワヤンマは93年までは100以上だったのに、94年からは0でした。
記事では農水省のコメントとして「漁獲量は気温や稚魚の放流など人為的要因でも変化する。ネオニコと魚の激減の因果関係が立証されたとは言えない」と紹介していました。気温ではなく水温と言いたかったのだと思いますが、私の論文では水温や稚魚(シラスウナギや孵化直後のワカサギ)の放流量のデータも検討して、漁獲量の激減前後で全く値が変わっていないことを示しています。ですので、農水省の方は私の論文を読みもせずに否定していることが露呈しています(滑稽です)。
ネオニコチノイドの使用によって、少なくとも宍道湖では水産業に悪影響が出て、ユスリカ類やトンボなど昆虫が減っています。この事実を前に、地元の農水担当部署がどのような対応をするのか、興味深いところです。
ちなみに島根県のホームページには下記が書かれています。
「島根県が推進する『有機農業』は、化学的に合成された肥料及び農薬を使用しないこと並びに遺伝子組換え技術を利用しないことを基本として、地域資源を有効活用することにより、農業の自然循環機能を大きく増進し、生態系との調和を図るとともに、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した農業生産の方法を用いて行われる農業です。」

https://www.pref.shimane.lg.jp/industry/norin/seisan/kankyo_suishin/yuki_nougyo/