ヨシは水生植物という妄信

手賀沼に関する下記リンクの資料編3.をダウンロードすると、34ページに手賀沼の図があって、西岸が広くヨシ帯になっています。

手賀沼水循環回復行動計画(改定版)/千葉県

しかも「水生植物群落」となっていて、32ページには水質浄化作用があると書いています。つまり水ヨシとして扱っていると言うことです(写真もしっかり水ヨシです)。
私はこの計画策定の委員だったので、ここは陸地であって、環境課が管理すべきところではない、水質浄化も全く行われていないと主張しましたが入れられず、このような形で公開されています(委員なんて、単なるお飾りなんでしょうね)。現場に行けば、ここは埋め立て工事を行った陸地で、そこにヨシが侵入したことは明らかなのですが(ヨシは放棄されて乾燥した水田にもすぐに侵入します)、ヨシ=水辺との妄想が「水生植物群落」と信じて疑わない理由なのでしょう。
私が心配しているのは、ここは流入河川からの水流を妨げるように埋め立てられている点です。洪水時にはここに流下物が堆積し、上流側で氾濫する恐れがあります。
これは非常に危険なので、土木関係の知人から、関係しそうな土木の方々をご紹介いただき、一体どういう目的で誰がここを埋め立てたのかうかがいました。「これは恐らく農政の事業で、記録は探したが見つからなかった。」とのことでした。
手賀沼はかつて、もっと大きな沼でした。現在の農地の多くは、埋め立てて造られました。ここもその名残で、行け行けドンドン的に埋め立ててしまったのかもしれませんね。
埋め立て地が原因で上流の市街地が氾濫したとき、責任は県のどこかが取ることになると思いますが(たぶん指摘があったにもかかわらず水生植物帯とした環境課の判断が問われるのでしょうが)、大切なのは、災害になる以前に何らかの対策を取ることです。そのためには、ここは湿地でも水生植物帯でもなく、ただの埋め立て地であることを認識してもらわねばなりません。
それでOBに頼んで論文にまとめてもらいました。近く投稿できるそうです。
この場所の写真などは下記で報告しましたので、参考にしてください。