気候変動下では小規模農業が有利

ジョギングしていたら、あぜ道のそこかしこでタンポポが咲いていました。しかも種までつけていました。2月になったばかりというのに。。。やはり今年の暖冬は尋常ではありません。

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ダイコンがこの暖かさで急速に成長してしまい売り物にならないなど、農家は厳しい状況に陥っているようです。
農事暦という言葉に象徴されるように、農業では概ね、これまでの経験から、いつ頃何をするかを決めています。地球温暖化の影響が顕在化してきた現状では、この、「これまでの経験」では対応できなくなると思われます。
対策としては「いつ頃、こうしていた」ではなく、例えば「何度以上の最高(最低)気温が何日続いたらこうなる」というように、過去の経験則を暦以外の数字に置き換えて一般化することでしょう。AIを使うことで、何が効いているのか候補を絞れるかもしれません。
農業の競争力を高めるために大規模化、集約化が推奨されてきましたが、気候変動下の現在においては、全滅のリスクを増やすようなものです。日本ではもともと大規模化しにくいというデメリットをむしろメリットと捉え、それぞれ・そのときの風土に合わせてきめ細やかな対応をすることで、単一のリスクで広範囲が全滅という最悪の事態にならない農業を展開できます。
そのための鍵は、これまでの農業にとらわれない、むしろ農業と異なる分野の人材との交流でしょう(たとえばAIやリスク管理の専門家とか)。私が所属する産総研は様々な技術開発を行っていますが、こういった技術を農業にいかしたら、農産物や農業システムを輸出産業にすることは全然可能ではないかとよく思います。