豪雨が火山噴火を誘発する?

先ほど午前11時40分、長崎県に出されていた大雨特別警報は警報に切り替えられました。1982年7月の長崎水害(長崎市内だけで死者・行方不明者299名、うち262名が土石流や崖崩れによる)の惨状が今でも目に焼き付いているので、同様の被害が出ないかと昨夜からニュースから目が離せませんでした。少し安心しました。
豪雨の原因は線状降水帯の停滞で、予想しづらいと解説されています。ただシロウト感覚では、暖かい東シナ海から水蒸気が供給された空気が西風で阿蘇などの山に当たって上昇すると雨が降りやすいでしょうから、九州は潜在的に線状降水帯ができやすいように思われます。毎年豪雨に見舞われるとの前提で、冬の間に対策を立てる必要がありそうです。
九州については雨に加えて、火山噴火のリスクも気になります。最近のNature掲載論文で、豪雨によって火山噴火が誘発された可能性が議論されていました。関東や東北の震災のように、地層に残された証拠から定期的に発生することが自明の地震でさえ十分な対策が為されていない(=だから原発事故が起こるし、今も再稼働させようとしている)日本ですから、火山のリスクは噴火後の付け焼き刃的なものだけです。しかし九州である程度以上の噴火が起こると、噴火による直接的被害だけでなく、火砕流による土石流も発生します。豪雨時に噴火されるのが最悪です。
万が一でも起こると大変なリスクですから、その時何が起こり得てどう避難するかだけでも、考えておいた方がよいと思います。
Nature vol.580
Extreme rainfall triggered the 2018 rift eruption at Kīlauea Volcano
The May 2018 rift intrusion and eruption of Kilauea Volcano, Hawaii, represented one of its most extraordinary eruptive sequences in at least 200 years, yet the trigger mechanism remains elusive.
(中略)
Thus, volcanic activity can be modulated by extreme rainfall triggering edifice rock failure—a factor that should be considered when assessing volcanic hazards. Notably, the increasingly extreme weather patterns associated with ongoing anthropogenic climate change could increase the potential for rainfall-triggered volcanic phenomena worldwide.