三度目の正直

スジエビを使ったネオニコチノイド曝露実験、恐れていた共食いが発生したため、専門家の知人から「悩ましいですね。。。」とコメントされる結果に終わりました。
「共食いを防ぐには六穴シャーレに1尾づついれるくらいじゃないと無理じゃないですか。」と指摘されたのですが、自宅を恒温室化するのはさすがに難しく、六穴シャーレで水温を一定にするは無理なので、三度目の正直で、1容器3個体、共食いしないようにエサを多めにいれる、で実験することにしました。
今日の午前は自宅でオンライン取材を受け、終わってすぐに霞ヶ浦に行ってきました。台所での観察から、スジエビが昼間はどういうところでどういう格好でいるのかほぼ理解したので、サイズの揃った個体を50尾以上、わずか40分程度で網ですくうことができました。
帰宅して汽水と淡水の容器に半分づついれ、馴致期間中は濾過装置で曝気することにしました。馴致期間中もエサを多めにいれないと共食いしてしまうので、濾過しないと水質が悪化するためです。

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学位論文の研究でも大型底生動物(シジミ)を使って実験をやってましたが、下記の論文のFig.2にあるデザインにたどりつくまでに、4年かかりました。バクテリアや植物プランクトン、せいぜい動物プランクトンまでですともう少し早く動かせますけど、エビやシジミになると生活史が少なくとも1年はかかるので長期戦になります。

https://aslopubs.onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.4319/lo.1993.38.5.0997

定年まであと5年と限られてはいますが、ポスドクや博士課程学生と違って、それまでに成果をあげないと先が無いという状況ではありません。彼らがやりたくてもできないようなリスキーな課題に挑戦したいと、ますます思うようになりました。これも厄介なスジエビ君達のおかげ。。。