お先まっ暗かも

安倍政権下でのモリカケ問題や黒川検事長問題などで不安が募っていたところ、菅政権下ではまさかの学術会議委員の任命拒否。ワイマール憲法下でナチスが合法的に政権をとったことによる結末や、大正デモクラシーから一転して軍国主義に走った日本が再現されるのではと思っていたところへ、下記ニュースが飛び込んできました。

高校で米国留学した際のホストファミリーはポーランドから亡命したユダヤ人の子孫です。ホストファザーの父親が若い頃にアメリカに逃げてきたそうで、「危険の予兆を感じた時に、躊躇無く逃げ出したかどうかで運命が分かれた。」とよく言われました。日本の若者も、明治期に日本人の多くが移民したように、今が日本を離れるタイミングかもしれません。

10月から修士2年になった留学生さんが研究生として入学したとき、私は既に上記のように嫌な予感がしていたので、「研究者になりたいなら、博士課程はヨーロッパの大学に行きなさい。そのために、修士の間に投稿論文を2本くらいは出しておくこと。」と言って指導してきました。行きたい大学もドイツとスイスで生活費などを支援してもらえる候補が見つかったということで、安心しました。

日本と同じく第二次世界大戦の敗戦国ながら、ドイツは日本と全く異なります。何より、第二次世界大戦時に何がいけなかったのかを具体的に検討し、同じ失敗をしないように様々なバリアを張っています。東西ドイツに分かれていたのが、私が29歳の時にベルリンの壁が崩壊、その後に東ドイツ出身の女性が首相になるなんて、崩壊当時は夢想だにしませんでした。因習、偏見などにとらわれていたら、こんなことは起こらなかったでしょう。

勤勉さ、教育レベルなどでは、日本とドイツにそれほど差はないと思います。強烈に劣っているのは、権力者ではないかと思います。明治維新以降の日本では、小集団内での派閥争いにたける人間が大きな権力を握れる仕組みになっているからではないかと、漠然と思っています(大学もそうですね)。救いようがない。