全国の水道水でネオニコチノイドを測ろう

厚労省が自治体の水道行政担当者に出している「水道水質管理計画の策定に当たっての留意事項について」最新版(2021年3月26日改正)の「積極的に安全性評価及び検出状況に係る知見の収集に努める要検討農薬類(別表第5)」に ネオニコチノイド(アセタミプリド・イミダクロプリド)がようやく入りました。

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000771941.pdf

別表第5にある目標値は、アセタミプリドが200μg/L、イミダクロプリドが100μg/Lです。EUでは水分が多いスイカやメロンのアセタミプリドの残留基準は0.2ppmです。1リットルの水の重さは1kgなので、日本の水道水のアセタミプリドの残留基準は200μg/kg。一方、1ppmを重さで表すと1mg/1kgなので、0.2ppmは200μg/kgです。日本の水道水の基準はスイカやメロンのEUの基準と同じレベルになります。1日1リットルは飲むよう指導される水についてこの基準でよいのか疑問ではあります。目標値未満でも、検出されたら要注意と思った方がよいでしょう。
「要検討農薬類」は水道水質基準ではないので分析は義務ではありませんが、多くの自治体で現状を調べていただきたい。特に河川水を原水にしている水道水は、田植え後に雨が降ったあとは、かなりの確率でネオニコチノイドが出ると思います。
実はネオニコチノイドは活性炭処理をすれば、水道水に出て行くことはありません。昨年1年間、雨が降る度に霞ヶ浦の水を採水に行き、その霞ヶ浦の水を水道原水にしている自宅の水道水も採水してネオニコチノイドを測ったところ、霞ヶ浦ではいつもネオニコが検出されたのに、水道水からは全く検出されませんでした。活性炭処理の威力を確認できました。
ネオニコチノイドは神経毒です。神経への障害は、神経細胞に何らかの形態異常が出る以前から、行動異常(人を殺したくなるなども含む)など深刻な影響が出るかもしれません。全国すべての水道水で、特に田植え期に全ネオニコチノイドを分析してほしいと思います。そして水道水からネオニコチノイドが検出された水道企業体は、活性炭処理を浄水処理に加えてください。それだけでネオニコチノイドによる国民の健康被害や精神疾患による不幸な事故を、未然に防ぐことができるかもしれないのです。