総合学習では釣りをして、水辺の保全を学ぼう!

拙著「魚はなぜ減った?見えない真犯人を追う」にAmazonでレビューが書かれていました。

「マスメディアにありがちな農薬への不安を煽るような論旨ではなくひと安心」「巻末には無農薬栽培の難しさを伝える記事も収録されており、農薬批判一辺倒にならないバランスの取れた内容」
とあり、編集者さんや私が気にしていたことが伝わったと、私もひと安心。
「もとは釣り人向けの連載ということでリップサービス的な記述も目に付く」
は、実は全くリップサービスではありません。私は本心、小学生の総合学習に釣りをいれるべきだと思っています。娘が小学生の頃、国語の音読の宿題で「ビオトープで自然を学びましょう」を何度も聞かねばならず、こういう教育をしているから日本の水辺は破壊が止まらないんだと思ったものでした。
環境アセスメントで猛禽類の保全が重視されるのは、食物連鎖の上位にいるからです。そういう意味で魚類は、水中に生息する動物の中では食物連鎖の上位にいるものが含まれています。
また魚は成長とともに餌を飼え、餌を採る所、休む所、繁殖を行う所が必ずしも同一ではありません。今はどういう時期だからこういう所に目指す魚がいて、その魚は目に見えない水面下でこうしているに違いないと、それまでの経験を合理的に分析して得られた推定から、食べると思う餌をつけ、釣れると思う場所に釣り糸を垂れるのです。これは水界生態系をトータルに見るセンスを養います。
釣りの達人は水辺だけでなく、その水辺に流れ込む川も含めて、様々なことを観察して、その変化と魚の変化をよく記憶しています。私の研究室に来る学生さんは釣り好きが多かったのですが、釣りをする学生さんは何も言わなくても、修論のテーマに直接関係ないこともいろいろ観察していて、さもありなんと思ったものです。
レビューで一番こたえたのは、
「著者の主張を読み取るには本文を読み込む必要があり、直感的な理解を助けるイラストなどがもっと欲しかった。」

です。
つまり私の文章はわかりにくいということですよね。編集者さんに直してもらってもまだ「読み込む必要あり」と書かれるということは、元の文章が相当難解だったからだろうと大いに反省しました。
このブログを読んでくださっている方々も、読み込むのに毎回苦労されているのでしょうね。。。