淡水化したことで殺虫剤禍から免れた湖

一昨日と昨日、八郎湖に行ってました。
日本で2番目に大きく、かつ汽水の湖だった八郎潟は、周縁の水域だけ八郎湖として残り、大部分は干拓されて水田になりました。下の写真は、淡水になった八郎湖から水田に水を引き込む施設です。

淡水を維持する防潮水門には魚道だけでなく、海から湖に上がってくるカニ類のために「カニ道」も設けていると、漁協の組合長さんから教えてもらいました。
下の写真右側の壁に、水面上の一定間隔にロープが見えています。そのロープをつたってカニが上流に移動するそうです。

汽水の宍道湖ではネオニコチノイドが使われた途端に動物プランクトンが減り、それを餌とするワカサギが減りました。汽水の宍道湖では、ネオニコチノイドに敏感な動物プランクトン1種しか生息していなかったからです。宍道湖ではエビ類も激減しました。一方、淡水化された霞ヶ浦では、ネオニコチノイドの使用とともに2種類の動物プランクトンが消滅しましたが、平気な動物プランクトンもたくさんいて、ワカサギの激減は起こりませんでした。淡水化した八郎湖でもワカサギは豊漁だそうです。カニが登っていくということですから、エビ類も大丈夫なのでしょう。
いくつかの淡水化された水域で「元の汽水に戻したい」との要望があるようですが、汽水に戻すと宍道湖のようになる可能性も考えての判断が必要です。