ハラスメントは組織的隠蔽を招く

私が所属する専攻では某教員(以後、教員A)が学生に深刻なハラスメントを行った上に、ヒ素・水銀を無登録で使用し、廃液を流しに捨てていたらしい事が発覚しました(某年4月)。5月に教授だけが集まり「確かにハラスメントを行っていた」と確認したのですが(教授だけの会議は議事録を残さないルールなので、あとで反古にされるかもと録音しておきました)、ヒ素・水銀問題は相当クロだが追求しないことになりました。

翌年3月、当時の専攻長はハラスメントが無かったかのように、教員Aを復職させると宣言しました。私はハラスメント被害を受けた学生の指導を引き継いでいたので学生への影響を懸念し、試薬の不適切使用も確認しないまま復職させるのはおかしいと指摘しました。それに対し4月に交代した新専攻長は、ハラスメントも不適切な試薬使用も私による誹謗中傷と決めつけ、私の学生を全員、専門が異なる教員に指導させることにしました。そして私が謝罪するまで専攻の全活動への関与を禁じました。

研究に没頭できるのでデメリットはなかったのですが、何も言わないと私が誹謗中傷したと認めたことにされかねないので、東大のコンプライアンスなどに訴えましたが埒があきませんでした。それで東京地裁に提訴したところ、東大側から申し入れがあって和解しました。以上の経緯の一部は下記ブログ記事にまとめました。

私が誹謗中傷したとデマカセをまくしたてていた教員は農学部に移り、提訴・和解時は別の教員が専攻長でした。和解後にその専攻長からは謝罪も無く、発端となった教員Aに専攻としてどのような対応をしているかの説明もありませんでした。2度ほど説明を求めましたが無回答でした。その次の専攻長は事の発端時は准教授だったので、事情を知らないだろうと思って何も聞きませんでした。

今年度、最初に隠蔽を図った教員が再び専攻長になりました。専攻としてどのような対処をしているのか知らないハズはないのですが、彼からも謝罪も説明もありませんでした。そして最近、私が使用している試薬庫に外部監査が入ることになりました。試薬庫は教員Aと別の教員と3名で使用していたので中身を再確認したところ、教員Aの劇物が登録もされずに入っている可能性が発覚しました。そこで専攻長に対処を依頼し、専攻長は教員Aに近い立場にある教員に連絡を依頼しました。

その回答に「メンタル的に実験室に立ち入ることが難しいとのことです。」とありました。合わせて、教員Aは他の棟に実験室を用意してもらっていることがわかりました。これは「山室が教員Aを誹謗中傷したから、教員Aはメンタルに実験室に立ち入れない。」と専攻がみなしていることを示しています。もし「自分がハラスメントや不適切な試薬を行ったから、それがトラウマになり立ち入れない。」という意味だったら、専攻がわざわざ他の棟に実験室を用意してあげる必要は無く、不適切なことをした責任をとって辞めてもらうか再教育するかでしょう。

上記のブログ記事で、この専攻では過去にセクハラ・パワハラが多発していたと指摘しています。今は提訴も辞さない私が目を光らせているので慎重に対処しているのでしょうが、いなくなった途端に教員Aに再び学生をとらせる可能性が高そうです。パワハラ発覚後現在まで、教員Aは学生指導していません(させていない?)。それでもこの専攻は私には虚偽の嫌疑で不利益を強制し(=パワハラ)、パワハラを行った教員Aには実験室を他の棟に用意するという優遇処置を供しているのは、なぜなのか?

当時の教授は私以外みな男性だったので、担当してくれた弁護士は「山室先生が女性だから、女性から不備を指摘されてしゃくに障って、男性であるパワハラ教員をかばったのかもね。」と話してました。セクハラ裁判で有罪になった教員を名誉教授に推薦しないと決めた会議で、後に私が誹謗中傷したとデタラメを言っていた教授が「あれは女子学生が誘ったから悪い。」と平然と発言していたので、妙に納得しました。

今回の件で、3年後に迎える定年後に専攻が私を名誉教授に推薦しなかったら、セクハラ・パワハラがまた起こるかもしれない専攻に学生が進学しないよう、本件について音声データも使い、実名入りで公開することに決めました。東大教員は「みなし公務員」なので。関わった教授達の実名を公開しても、音声データなど事実であることを示すことができるので、名誉毀損に当たりません。

過去に名誉教授に推薦されなかったのは、先述したセクハラ有罪教員だけです。教育でも研究でもそれほどめだった瑕疵が無い私を推薦しないとすれば、「山室は教員Aを誹謗中傷した」しか理由がありません。逆に推薦すれば私は名誉教授として科研費に応募でき、研究科との関わりを続けることでハラスメントに目を光らせる状況が継続する状況を教授達が受け入れたことになります。

リトマス試験紙ですね。