山室教授

産総研は独法化前は工業技術院で、私が所属していたのは工業技術院地質調査所でした。他の研究所は工学系ですが、地質調査所は大部分が理系が占めるちょっと変わった研究所で「ここから工業技術院長が出ることは無い。」と言われていたのに院長が出たその頃に、私が入所しました(「入所」と言うと違和感を覚える若者が多いのですが、その頃は地質調査「所」なので、入所です)。
その所長・院長にも、先輩方と同じように「○○さん」と呼びかけていました。
私には理想の職場だった地質調査所だったのですが、地質調査所の職員としてどれだけ国際誌で評価される論文を出しても国内では「アサザが水質浄化する」とデタラメを吹聴した某東大教授の和文エッセイ以上の効果を日本のマスコミは報道しないらしいと悟ったこともあり、東大教授になりました。
最初にビックリしたのは学生から「山室先生」と言われたことです。アメリカでは元生態学会会長のMary Powerも院生などからMaryとファーストネームで呼ばれます(すごく地質に詳しくて美人!私もこうありたかったけど、無理だな)。

「先生」というのは「先に生まれた人」という解釈もできようかと慣れるようにしてきたのですが、最近「山室教授」と宛てたメールや手紙が増えて来て、ちょっとアレルギーです。
私は研究者であって、その内容は職位とは無関係です(教授になる際には多少は考慮されたかもですが、このブログであちこちに書きましたが、東大の教員に採用されるに当たって、どれだけ研究能力が正当にあるかが最重要ではないケースがままあります)。
「先生」までは慣れましたが、「教授」は勘弁と思います。文語では「さん」は難しいと思いますので、せめて「様」ですね。