河川のネオニコチノイド濃度は環境基準以下?

環境省の某会議で「ジノテフランというネオニコチノイドが8月に水田に集中的に散布されることで河川水から高濃度で検出されており、おそらくそれが原因でウグイやオイカワなどの下流の魚が全国で激減している。」と発言したところ、「環境省では農薬残留対策総合調査として河川中の濃度をモニタリングしており、ネオニコチノイド系農薬については、環境省が定めている農薬に関する水濁基準を超過したものはありません。」と説明されました。
閉会後にネットで「令和4年度農薬残留対策総合調査結果」をダウンロードしました。

農地に占める水田占有率が高いところを調査したのは、秋田県を調べた平成21・22年度だけでした。

その平成22年度の報告書を上記リンクからダウンロードしたところ、「排水路の最高濃度は 22.3μg/Lで、水質汚濁に係る登録保留基準値6mg/Lを大きく下回った。」とありました。

基準値が「mg/L」オーダーなんて、単位間違えてない?と思ったのですが、当時は本当にこの基準値だったようで、現在の基準値である12μg/Lと告示されたのは平成29年でした。
環境省が調べたのは限られた地域の一部の水域で、たまたまそれらは基準値を超えていなかった(実際には今の基準値を超えている報告もあった)ということですよね。今後は米作りが盛んな所で、ジノテフランが空中散布される8月に集中してモニタリングしていただきたいと思います。そういった地域で水道水に利用されている河川は、少なくありません。来年度から水道水質の担当が厚労省から環境省に移管されることですし。

ちなみにEUの飲用水中農薬の一律規制濃度は0.1μg/L厚労省が決めている日本の水道水のジノテフランの水質基準値は、600μg/Lです。。。

・水道水質管理計画の策定に当たっての留意事項について(◆平成04年12月21日衛水第270号)