水陸両用植物発見!

このところ色々ハプニングがあって書きそびれていたのですが、10月10日に、印旛沼流入河川の水質を研究している修士2年のK君に、フィールドを案内してもらいました。

印旛沼本体については、私が事務局を務めている「湖沼生態系再生研究会(手賀沼モデル)」で、千葉県県土整備部
の林 薫 先生から「印旛沼の植生再生」というお話を伺っていて、その時に一番印象に残ったのは「ナガエツルノゲイトウ」という外来植物が西沼・北沼の双方に進出してきたということでした。

ナガエツルノゲイトウはブラジル原産の帰化植物で、上の写真のように、みかけはおとなしい感じですが、実はこれが、恐怖の水陸両用植物なんです。インターネット情報によりますとと、上海では街路樹の根元の乾いた土に生える雑草としても最も繁栄しているそうです。一方でこの植物は水辺でも繁殖できて、まずは水上に茎を伸ばし、節間の空気を浮きとして抽水植物のような生活形態をとります。さらに、節から発根して栄養塩を十分に吸収できるようになると、浮島を形成して浮遊しながら分布を広げます。こんなのが広がると、印旛沼で沈水植物を増やそうとしても覆われてしまって枯れてしまうと、林先生は心配されていたのです。

桑納川で採水しようとした時、K君が「この前見たときには無かった草が生えている」と矢印の辺りを指しました。林先生の話を聞いていたK君は「先生、もしかしてあれ、例の水陸両用植物なんじゃ。。。」

うん、確かにそんな感じと思って観察したところ、橋の上からは根づいているように見えた群落は、すべて浮遊状態で、根は水の中でした。観察しようとたぐりよせると、いとも簡単にポキポキ折れます。その節目の一つ一つに根があるので、折れてもそれぞれが生き延びるのでしょう。

わずか数ヶ月でこんな群落を作ってしまう増殖速度に加え、琵琶湖の藻刈りのように刈りだしても、地上でまた増えてしまうなんて、こんな水草が増えたら処置なしです。今の間に駆除しないと大変なことになりそうです。