脱帽

3月末には退院と言っていた知人から何の連絡もなかったので、こちらから電話してみました。「地獄からは遠ざかったみたい」と、入院中よりずっと元気な声でした。
彼女の異変は、便が全くでないという症状から始まりました。戦後に医学部が女性に解放されてその一期生だった彼女は、「これは婦人科系のガンに違いない」と信じていたのですが、病院では消化器系にまわされ、「便がたまっていてCTで何も見えませんから」と放置されていました。自主的に退院してガン専門病院に行ったものの、やはり「このままでは状況が分からない」と放置されかかったところを、主治医でない先生が「ほっておいてもよくならないでしょう」とコメント、大腸のバイパスで定評のある病院に移してもらい、合わせて抗ガン剤治療も受けて、退院できるまでに回復したのでした。
「半日は寝てるけど、病院は自分で電車とバスで行くし、来週には畑にも行こうと思って。でも腸から管で外に出しているから、今ガスがでてるとか分かるのが慣れなくていやだわね」「なら、ちゃんとした低温殺菌牛乳と滅菌牛乳とで、飲んでからどれだけで腸に出るか、自分で人体実験できますね。でてくるものも、きっと写真で分かるくらい違ってるはずでしょう?カウフマンのミニ豚の実験より説得力がありますよ」「確かにそうねえ」「あ、ごめんなさい。人の体と思って勝手なこと言ってます。。。」
今でこそ低温殺菌牛乳が大きなスーパーなら1種類は販売されていますが、彼女がいなければそれはあり得なかった。それくらい日本の牛乳を主婦というポジションのまま変えてきた、そんな彼女いわく、「あと10年、平均寿命までは生きたいわよねえ。だって、変なもの食べていたら健康に悪いと言い続けてきた私が、ガンで平均寿命まで生きれなかったなんて、最高にかっこ悪いじゃない?」