アサザ神話がまた教科書にありました

9月の学会に備えて、水環境の視点から間違った記載が教科書に書かれていないか、チェックに行きました。中学地図帳に霞ヶ浦でのアサザ植栽についてデタラメな記載があったことから、今日はまず高校現代社会と同副読本、地理A副読本、中学公民、中学国語と、文系の教科書をチェックしました。いずれも問題なかったので安心したのもつかの間、まさかの中学3年用の理科の教科書で、霞ヶ浦ではアサザを植えることで波による浸食が抑制され水を浄化するという、昔アサザ基金が子供達に吹聴していたのと同じ、とんでもない記載が掲載されていました。
中学校理科水と環境.pdf 直
この記載を読むと、アオコだと酸素が減少し、アサザ一面に覆われた水面は酸素が減少しないと読めてしまいます。実際は逆で、アオコは光合成によって酸素を水中に放出しますので、アオコが覆っている水面はとても酸素が豊富です。逆にアサザは葉の表面にある気孔から酸素を出すので、水中には酸素が供給されず、表層でも酸欠になります。
湖底ではどちらも酸素が欠乏します。