松江での一連の会議では、自然再生に関する話題もいくつかありました。
うちひとつでは、湖沼自然再生関係の検討の為に「1990年以前と以後で淡水魚と沈水植物がどう違うか比較するように」と言われてデータを提出したとの報告がありました。1990年以前に見られた淡水魚にはメダカもあります。
宍道湖は汽水湖で、淡水の流入河川を本来の住み場所にしている淡水魚が紛れ込んでくることがあります。メダカなんてその典型でしょう。汽水湖で汽水魚や海産魚は調べず淡水魚だけ調べさせるなんて、ナンセンス以外の何物でも無く、あきれ果てました。
別の会議では、「魚の住み場所になるとの名目で沈水植物の植栽をしているけれど、植物を植えることばかりに重きを置いて、その工事によってそこにいた魚が住めなくなることを理解していない」との批判がありました。全く同感で、私が知る限り、「魚の住み場所になる」と言われて行われている水草類の植栽で、本来いた魚が増えた例はありません(霞ヶ浦のアサザ、手賀沼のヨシ、宍道湖のヨシ)。それらは自然再生ではなく単なる「緑化工事」であり、魚が増えるという科学的根拠はありませんとお答えしました。