卒論のない卒業実験

2016年10月14日記事に記載した事件があったので、私の研究室では日本人は基本的に受け入れないことにしました。もし希望者が来たら事情を説明して、教員が理不尽なことをしたら泣き寝入りせず告訴する覚悟がある学生のみ受け入れようと思っています。
外国人、それも日本と必ずしもよい関係にない国の学生なら、いざとなったら大使館に訴えることもできると思い(他大学の教授が大使館経由で訴えられた例を知っているので)、事件後の最初の学生として中国のH君を受け入れました。
H君は卒業研究で地下水の挙動と化学分析をやっているとのことだったのですが、来日後に詳細を聞いてビックリ。卒業研究はしたけど卒論は書いてないそうです。指導教員に言われた実験はしてデータを出したけど、その実験だけでは論文にはできない状態だったとのこと。それでも大学によっては卒業できてしまうのですね。
TOEFLの点とか成績とか、当該大学の中国でのランキングはチェックしたのですが、まさか卒論を書かない卒業研究があるとは思ってもみませんでした。日本人学生がいた頃は卒論を見て指導方針を決めていたので、H君には「その実験、とにかく論文になるところまで完了して、論文を書いてみなさい。」と指導したところ、下の写真の装置を組み立てて実験を始めてました。3月末には完了するそうです。どんな論文が出てくるか楽しみです。

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